- 「みどりは本当に社会の役に立っているのだろうか?」
- SOCIAL GREEN DESIGN TALK
- SOCIAL GREEN DESIGN SCHOOL
- OPENING EVENT
- SPEAKER
- 小松 正幸
- 三島由樹
- 神木直哉
- OUTLINE
- ARCHIVE
「みどりは本当に社会の役に立っているのだろうか?」
みどりに対するこのシンプルな問いから、SOCIAL GREEN DESIGN(ソーシャル グリーン デザイン 以下SGD)という取り組みは始まりました。
生物として、人は植物に生かされている存在です。これを否定する人はいません。
しかし、人がつくり出してきた「みどり」によって、いまの私たちの「社会」はどれほど生かされていると言えるでしょうか?
ここで言う「みどり」とは、植物を単に意味するそれではなく、人が植物を利用してつくりだした多種多様な場所・物・制度・文化等の総体を意味します。
この意味において、近代以前につくられてきた、農地、里山、鎮守の杜、防砂林、入会地のようなみどり、そして近代に入って新しく生まれた「公園」や「風致地区」のような施設や制度は、社会の必要性から生まれた、「社会をつくるみどり」であったと言えるでしょう。
近代社会をつくる上で必要なみどりとしてつくられてきました。
このような「みどりと社会の関係」が20世紀後半以降、少しずつ変わっていきます。高度経済成長を背景にみどりや自然環境が失われただけでなく、つくり出されるみどりも公開空地や工場緑化のような「開発の代償としてのみどり」や、「消費を促進するためのみどり」が主流となり、いつの間にか「社会の役に立つ、社会を支える」というみどりの本来的な意義・目的が、みどりをつくること自体が目的になったり、社会ではなく経済や企業を前進させるためのみどりになっていきました。
その後、経済成長の時代が終わり、人口が減り続けていく社会に生きる私たちの目前には、荒廃した里山や耕作放棄地など、社会をかつて支えていたみどりの劣化と、誰もいない公園や公開空地、管理者の都合が優先された画一的でつまらない緑地や街路樹など、
「ただみどりがあっても意味がない」
そう感じざるをえない、褪せたみどり色の景色が広がっています。
一方、気候変動や生物多様性などの環境問題への対応、コロナ禍におけるライフスタイルの変化などを背景として、みどりに対する社会からの期待が今日ほど高まっている時代はありません。
このような時代において、SGDの取り組みが目指すのは、今そしてこれからの社会の中でみどりに関わりながら生きる私たちが「みどりをつくる意味」と「みどりと社会の関係性」について再考し、みどりを通じて社会を豊かにアップデートしていくこと、そして、この対話と実践の輪を広げていく事です。
2020年秋に試験的にスタートしたSGDの取り組みを通じて、私たちは、みどりと社会の関係性に対する問題意識を共有する人、そして、みどりと社会の新しい関係をつくっている人に出会い、対話を重ねることが出来ました。
2021年度は、これらの出会いと対話をベースとして、いよいよ本格的にSGDの取り組みをスタートします。
その取り組みの基軸として、昨年度たくさんの方にご参加とご好評をいただいた「SOCIAL GREEN DESIGN TALK」と「SOCIAL GREEN DESIGN SCHOOL」をバージョンアップして実施します。
SOCIAL GREEN DESIGN TALK
SOCIAL GREEN DESIGN TALK(SGD トーク)は、これからの社会に必要な新しいみどりとその実践方法について議論する、ひらかれた対話の場です。SGDトークではみどりに関わる様々な領域でSGDを実践する先駆者である9組のゲストを毎月1組ずつお招きし、今年度は「コミュニティ(地域共同)」、「ガバナンス(行政)」、「プロダクション(生産)」の3つのテーマシリーズ(1テーマで3回のシリーズ)からSGDの考え方と実践についてトークとディスカッションを展開します。シリーズで連続してご参加いただくと、そのテーマごとの課題や可能性についてより深く学んでいただけるような組み立てをしています。各ゲストのプロジェクトの裏側や具体的な方法論、いま直面する課題やこれからの展望など、SGDトークでしか聞けない内容からは、きっと沢山の学びや気づきを得ていただけるはずです。また今年度は、SGDコミュニティ(会員)の皆様とSGD運営メンバーが対話するオープントークのイベントも用意させていただきますので、ぜひご参加ください。
第1回 6/3 | 「都市の公園力を育てる」 | ゲスト|佐藤留美氏(NPO法人NPO birth) |
第2回 7/8 | 「都市林業のある街」 | ゲスト|湧口善之氏(都市森林株式会社) |
第3回 8/5 | 「文化財庭園の活用」 | ゲスト|山田咲氏(植彌加藤造園株式会社) |
SOCIAL GREEN DESIGN SCHOOL
SOCIAL GREEN DESIGN SCHOOL(SGDスクール)は、参加者一人一人がそれぞれのフィールド(場所・地域)でSGDの考え方に基づいたプロジェクトを企画し実践していく方法を学ぶ、実務者向けのスクールです。これからの社会の役に立つみどりについて考えたい、実践したいと思っているデザイナー、企業の担当者、自治体関係者、緑地管理者、教育者、経営者などなど、SGDのコンセプトに共感する様々な業種の実務者の方にご参加いただきたいと思っています。昨年度は、定員6名を大きく上回る沢山の方々にご応募いただいたことから、今回は2期開催とし、各期の定員枠を10名に拡大して募集いたします。また、昨年度は試験的に全4回で実施していたプログラムを全8回にリニューアルし、SGDの事例視察やワークショップを加えた充実した内容にバージョンアップして実施します。スクール修了後も、企画を実践していく際のフォローアップや、スクール参加者コミュニティ向けの企画等を通じて、参加者によるSGDの実践を全面的にサポートしていきます。
OPENING EVENT
2年目のSGDをスタートするにあたり、きたる5月28日(金)にはそのオープニングイベントとして「一般社団法人ソーシャルグリーンデザイン協会(SGD協会)」のコアメンバーによるオンライントークイベントを実施いたします(参加無料)。
このトークイベントでは、SGD協会の理事をつとめる、造園・エクステリア業界でCAD開発と教育事業を行う小松正幸(株式会社ユニマットリック代表取締役)、グリーンプロデューサーの神木直哉(kamikikaku代表)、ランドスケープデザイナーの三島由樹(株式会社フォルク代表取締役)の3名より、
・SGDの事業をスタートした理由
・SGDとは何か
・SGDが目指す今後の展開
についてお話しするとともに、オンライン参加者の皆様とはSGDの可能性や課題についてオープンにディスカッションさせていただく予定です。
また当日は、今年度のSGDトークのゲスト9組の発表、そして、SGDスクールやSGDアワード、SGDコミュニティ等の取り組みについてもご紹介する予定です。
これからの新しいみどりと社会のあり方について皆さんと考え、新しい社会をともにつくっていくことを楽しみにしています。
皆様のご参加をお待ちしています。
SPEAKER
小松 正幸
MASAYUKI KOMATSU
株式会社ユニマットリック 代表取締役社長
ユニマットリックおよびE&Gアカデミー(エクステリアデザイナー育成の専門校)代表。「豊かな生活空間の創出」のために、エクステリア・ガーデンを通じた社会課題の解決を目指している。 ウェブサイト:https://www.rikcorp.jp/
三島由樹
YOSHIKI MISHIMA
株式会社フォルク代表取締役
1979年 東京生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。ハーバード大学大学院デザインスクール・ランドスケープアーキテクチャー学科修了(MLA)。マイケル・ヴァン・ヴァルケンバーグ・アソシエーツ(MVVA)ニューヨークオフィス、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻助教の職を経て、2015年 株式会社フォルクを設立。 地域文化の継承と発祥をテーマに様々な地域でランドスケープデザインと地域づくりのプロジェクトに取り組むとともに、慶應義塾大学、芝浦工業大学、千葉大学、東京大学、日本女子大学、早稲田大学で非常勤講師を務める。登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。ウェブサイト:https://www.f-o-l-k.jp/
神木直哉
NAOYA KAMIKI
(kamikikaku代表 / グリーンプロデューサー)
大手建材メーカー東洋エクステリアでマネージャーを務め、緑化資材メーカーの東邦レオでディレクターとして様々なみどりのプロジェクトを全国で手がけたのち、2019年にグリーンプロデュースカンパニー「kamikikaku」を設立。 人と人を繋げて新しい価値ある空間と時間の『間』を提供する事業立ち上げを通じて、クライアントならびに社会の問題解決を行っている。
OUTLINE
- 開催日|5/28 19:00-21:30
- 参加費|無料
- 会場|zoom
- ご注意|
・プログラムは、予告なく変更される場合がございます。
・申し込みをいただいた方には、Zoomリンクを開催前にお知らせいたします。